西天満総合法律事務所NISITENMA SŌGŌ LAW OFFICE

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副会長の任期満了を迎えるにあたり~ 1年間貴重な経験をさせていただきました ~

弁護士 高江俊名

1 組織運営に共通する課題への取組

2023年4月から、大阪弁護士会の副会長に就任しておりましたが、1年の任期の終わりが近づいてきました。

大阪弁護士会は、現在、5000人を超える会員弁護士がおり、100人以上の事務職員が仕事をしています。

このような大きな組織の執行部としてその運営にたずさわることができたのは、私にとって貴重な経験であり、今後、弁護士として仕事をしていくうえにおいても、この1年間の経験は、色々なところで役に立つことになるものと思っています。

弁護士会が現在抱えている課題には、他の企業などの組織が抱えているとお聞きする課題と共通するものも少なからずあります。

一例を挙げれば、役員(会長・副会長)の中に女性の数が少ないという課題があります。

大阪弁護士会では、会長1名と副会長7名がおり、ここ何年かは、うち1名は女性がいる状態が続いてきましたが、私が副会長となったこの1年は、会長・副会長が全員男性で、女性が一人もいない状態となりました。次年度は副会長のうち2名が女性となりますが、平均すると、8名のうち女性の役員は1名しかいない状態が続いてきていることになります。

この課題への取組として、大阪弁護士会は、男女共同参画基本計画を策定しており、その計画では、役員の中の女性の割合を、会員全体の中での女性の割合(現在約2割)と同程度以上とする、ということを目標として定めています。今年度は、基本計画の更新の時期にあたり、その割合をさらに高めて30%以上とすることを基本計画に書き込むことになりました。

弁護士会としては、現時点ではハードルの高い目標ですが、基本計画に目標として掲げることで、役員の職務のあり方などが見直され、改革がなされていくことになるのだろうと思います。

ちなみに、日本弁護士連合会では、2024年4月に、初めての女性会長が誕生します。折しも、この4月から、NHKの連続テレビ小説で、日本初の女性弁護士が主人公のモデルとなったドラマがスタートするということであり、楽しみにしています。

2 「新しい法律」に関すること ~離婚後の「共同親権」導入について~

副会長として担当したことで、「新しい法律」に関することについて一つ触れておきますと、家族法改正について審議してきた法制審議会が、2024年2月、離婚後の親権に関して、「共同親権」の制度を導入することなどを内容とする法改正の要綱を法務大臣に答申したことが報道されました。

「共同親権」制度の導入については、大阪弁護士会が毎年5月に開催している「憲法週間記念シンポジウム」でこの問題をテーマとして取り上げた際に、私がそのシンポジウムの準備の担当となり、パネルディスカッションのコーディネーターを務めたりもしたことから、法制審議会での議論状況について関心を持って見てきました。

紙幅の関係もありますので、制度改正の内容に関することについては、国会で法案が正式に成立した後に改めてご紹介するようにしたいと思います。

3 お礼

最後に、1年間、貴重な経験をさせていただいたことについて、皆さまにお礼申し上げたいと思います。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたし