事務所ニュース [2016年12月号]

すべての会社と団体が個人情報保護法の対象に

個人情報保護法の大きな改正があり、来年(平成29年)春に全面施行される予定です。
 
1 すべての会社・団体が法律の対象に
    これまでは5000人以上の個人情報を扱う会社や団体だけが対象でしたが、すべての事業者が法律の対象になりました。外国では小規模事業者も対象にしていることが影響しています。これからは中小企業も非営利団体も個人情報保護法を守る必要があります。たとえば、個人情報を当初の目的以外に使用することはできません。また、個人情報が持ち出されたり漏えいされたりしないように注意する義務もあります。ただ、ネットを使わないような小規模業者にあまり重い措置を求めることも問題です。そこで、蕎麦屋さんなどは配達先を書いた帳面を引出に片付けるのでよいという解説もされています。
   
2 自治会や同窓会の名簿を作るときの注意事項
    自治会や同窓会の名簿は多くが5000人以下という理由で対象になりませんでしたが、これからはすべて対象になります。しかし、法律の定めているルール(内容は常識的なことです)を守れば名簿作成は可能です。会員の連絡のために使う等の利用目的を定めて、また、会員に対し名簿の盗難や紛失に気をつけ、転売をしないように呼びかけるなどの注意をすることで名簿の作成・配布はできます
 
3 個人情報保護委員会の設置など
    個人情報やマイナンバーの取扱いを監督する「個人情報保護委員会」が今年1月にできました。公正取引委員会のように独立性を持っており、委員長は堀部政男さんという学者です。
    その他、今回の法律改正では、個人情報を加工したものの扱いや、いわゆる名簿屋の法規制、データベース等提供罪の新設などが定められました。

4 個人情報とプライバシーの違い
    平成17年に個人情報保護法ができたときは過剰反応があり、学校の緊急連絡網や自治会の名簿が作られなくなったり、役所や会社がプライバシーを理由に不祥事を隠したりしました。個人情報保護法の正確な理解が求められます。
    個人情報とプライバシーは厳密には意味が異なります。「個人情報」は、個人の氏名、生年月日、住所などの個人を特定する情報のことを言います。また、「プライバシー」は、私生活や個人の秘密などの意味で使われます。両者の関係については様々な議論がありますが、たとえとして、封筒の宛名の氏名や住所の情報は「個人情報」であり、封筒の中身に書かれてある情報は「プライバシー」だと説明されたりします。

 (弁護士 松森 彬)


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