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民事裁判のシンポジウムに出席しました

昨日(3月24日土曜日)、日弁連(日本弁護士連合会)で「民事司法改革グランドデザインシンポジウム」が開かれました。私は日弁連の民事司法改革実現本部の副本部長をしていますので、開会の挨拶をしました。

日弁連は、昨年5月の総会で民事司法の改革に取り組むことを決め、改革実現本部を立ち上げました。この半年かけて民事司法をめぐる課題と目標をグランドデザインという冊子にまとめました。この会議では、それを発表し、各界の有識者に議論していただきました。

パネルディスカッションは、民事訴訟法の山本和彦教授、法社会学のダニエル・フット教授、国会議員の松野信夫議員(民主党)、柴山昌彦議員(自民党)、国民生活センターの野々山宏理事長、経団連の阿部泰久氏、日弁連の出井直樹弁護士がパネリストになって行われました。

「日本の民事訴訟の現状をどうみるか」、「どのような改革、改善が必要か」について議論されました。裁判経験者に対するアンケート調査が2000年と2006年に行われていますが、満足度については低い結果が出ています。私たちは、利用しやすく、頼りがいのある、公正な司法を実現する必要があると考えています。

議論では、「裁判件数が増えていない原因をどう考えるか。裁判制度への不満、費用の問題があるのではないか」、「真実解明のためにもっと証拠が獲得できる制度が必要だ」、「裁判制度の改革だけでなく、裁判官の増員や法廷の増設など基盤の整備と、運用の改善も必要だ」、「判決が出たあとの強制執行手続きの改革も必要だ」、「成年後見や子の引き取りをめぐる事件など家裁の需要が増えている。調停室が少ない」、「行政訴訟の見直しも必要だ」、「裁判にかかる費用の手当が重要だ。所得の少ない人に対する民事法律扶助予算の大幅増額と自動車保険の特約になっている弁護士費用保険の拡充が必要だ」、「裁判所の手数料ももっと安くすべき。アメリカでは一律400ドル(約3万円)だ」、「利用者の意見を十分に聞く必要がある」などの意見が出ました。

貴重な意見をたくさん頂きましたので、今後、これを参考にして改革の取り組みを進めたいと思います。