先月のことになりますが、大阪府下の市町村の職員の方を対象に、成年後見制度の申立手続についての研修会が開催され、講師を務めました。
成年後見制度の申立は、ご本人やその親族だけでなく、市町村長が行うこともできます。成年後見制度の利用を必要としていても、身寄りがなかったり、親族が疎遠であったりして、親族による後見申立を期待できない人が増えています。中には、ご本人が親族から財産を侵害されているような場合もあります。そのような場合のために、現在の成年後見制度では、市町村長が後見申立をできるようになっているのです。
最高裁判所の統計によると、市町村長による申立件数は年々増え続けています。
認知症などで判断能力が低下した人の生活を支援し、権利を守るために、市町村長による申立が積極的に行われていくことが期待されます。 (弁護士 高江俊名)