今日は、私の出身大学の法律相談部に講師として行ってきました。毎週土曜日の午後に学生が市民の方の相談に乗っているもので、私も、学生時代、席をおいていたことから、一年に1回だけですが、応援に行っています。
学生が対応するものですので、どれだけ役に立っているかは、心もとないのですが、京都大学の法律相談部は、私もゼミで教えを受けた於保不二雄教授が、戦後の混乱期に大学生のために勉学と交流の場として創設されたと聞いています。60年以上、大学の先生方や卒業生、学生が次々と参加し、維持されてきたことになります。
今日は、雨のせいか、相談者は2組でした。相続問題と家族間の問題で、法律的に難しい問題ではなかったのですが、学生の皆さんには、本を読んだだけでではわからない実際の問題を考える良い機会になったと思います。
相談のあと、少し話をしてほしいということで、わが国の民事裁判の現状と改革の必要性を話してきました。
毎年思うことですが、学生の皆さんの初々しい姿勢は気持ちが良いものです。
弁護士の仕事についての質問のほか、裁判員制度の意義と課題はどうかとか、民事陪審はどうかとか、債権法改正についてどう思うかなどの質問があり、話が弾みました。検事になりたいという人や、公務員になりたいという学生もあり、それぞれの夢を語ってくれました。
2回生の学生から、「うまく文章が書けないがどうしたらよいか」という相談がありました。どのような分野でもわかりやすい文章が書けることが必要だと思いますが、特に法律家にとっては、裁判所や相手方に対して説得力のある文章を書くことが求められます。学生の間に、たくさん本を読むことと、文章や論文の書き方の本がいろいろ出ているので、そのような本で勉強会をしたり、互いの文書を出し合って批評する会をしてはどうかと、激励してきました。みんな、充実した学生時代を送ってください。