仙台に行く用事があり、そのあと、石巻の近くに行ってきました。1年半が経っていますが、津波のものすごさを感じました。地元のタクシーで海岸近くの道を走りますと、今は野原になっている道路の両側に以前は家が建ち並んでいたと聞き、驚きました。お寺も被害にあい、お墓がなぎ倒され、住職は亡くなられたそうです。私たちが行きました東松島市だけで約1000人が亡くなられたそうです。
海沿いのJRの線(仙石線)も被害に逢い、途中から先は今も不通です。新しい線路は新たに山側に土地を買収して作るため、復旧は何年も先になるそうです。タクシーの運転手は、隣町で被災した方で、家をどうするか思案していると言っておられました。家を建て直すことができた人は一部で、ほとんどの人は仮設住宅か民間から借り上げた賃貸アパートに住んでいると言っておられました。数日前の新聞は、東北に2万数千軒復興住宅を建てる計画になっているそうですが、完成したのはわずか100軒以内と出ていました。
また、一番の問題は、仕事が無いことだそうです。仕事がなく、困っておられる状況を聞かせてもらいました。
仙台の知人の弁護士から、震災から1年半が経ち、地元では全国の人から忘れられつつあるのではないかという不安があると聞きました。
自治体は、地場産業の復興を足がかりに、観光の復興にも力を入れているそうです。まだ観光客は以前のレベルには戻っていないようで、東北に来て、お金を地元で使ってほしいと聞きました。
私は震災はテレビや新聞で知るだけでしたが、震災後、初めて東北に行き、少しだけですが直接見て、話しを聞くことができました。多くの人が東北に来られることを望んでおられるように思いました。(弁護士松森彬)